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読点の打ち方(位置)について

Blog post 058

 

読点

日本語の文章で読点の打ち方(位置)について考えたことありますか。
読点を多めに打つと、一つひとつのセンテンスが短すぎて非常に読みづらい文になりますし(①)、逆に読点を打たない文(②)は、読んでいるだけで息切れしそうになります。
 
①昨日から、降り続いた、雨が、止み、今日は、朝から、真っ青な空が、広がっている。
②昨日から降り続いた雨が止み今日は朝から真っ青な空が広がっている。
 
国文法上、読点の打ち方には一定のルールがあります。
一つは1946年に文部省(現文科省)によって作成された「くぎり符号の使ひ方」に、もう一つは1952年に作成された「公用文作成の要領」にまとめられています。
詳しい内容について、ここでは省略しますが、おさえておきたい基本的なルール5つをご紹介します。
 
 
1.たくさんの修飾語がくっついている主語の後ろに打つ
●資源ごみを収集する市のトラックが、交差点を左折する。
(「資源ごみを収集する市の」すべてに対する主語「トラックが」の後ろ)
 
2.同じ働きをする言葉が並んでいるときは、その間に打つ
●幼い妹は花柄の傘と、赤い長靴がお気に入りだ。
(「花柄の傘」、「赤い長靴」)
 
3.主語と述語の組が並んでいるときは、その間に打つ
●父はゴルフクラブを買い、母は洋服を買った。
(「父はー買い」、「母はー買った」)
 
4.前後の意味の関係を表す助詞があるときは、その後ろに打つ
●彼は自分のコートを脱ぐと、照れながら私に貸してくれた。
(前後の関係を表す助詞「と」の後ろに打つ)
 
5.複数の意味に取られないよう、言葉のまとまりを明確にする箇所に打つ
●警察官は、血まみれになって逃げる犯人を追いかけた。
●警察官は血まみれになって、逃げる犯人を追いかけた。
(前文:血まみれ=犯人/後文:血まみれ=警察官)
 
 
特に5の例は、読点を打つ位置によって文の意味が変わってしまいますので注意が必要です。
ちなみに、日本語を横書きする場合の読点は「、」ではなく「, 」(カンマ)を用いると、上記「公用文作成の要領」に書かれています。
学校の教科書なども、それに従って横書きは「, 」表記となっています。