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イチローを育てた父親の子育ての考え方

Blog post 036

 

イチロー

イチローといえば「天才」という言葉が相応しいアスリートとして真っ先に浮かんできます。
このイチローを育てた父親の子育てに関する考え方は、学ぶべき点がたくさんあります。 
ここに幾つかご紹介します。 
 
 
よく子供はとてつもない夢を語ることがあります。 
大人(親)は夢と現実のギャップを知っているため、その夢の話を真剣に受け止めず「そんなの無理に決まっている」とか「お前にできるワケない」という否定的な対応をすることが時としてあると思いますが、イチローの父親はまったく違いました。 
 
 
お前みたいなものがとか、そんな夢みたいなことを言ってとか、親がそんな事を言ってしまったら、子供は下を向いてしまいます。 
絶対に言ってはならない言葉だと思います。 

あくまで子供は大きな夢を持って、将来に向けて勉強しているんだから、親はそんなエゴ丸出しの言葉は吐いちゃいけないと思う。 
子供の夢を手伝うのが親の務めなんです。 
プロになれるかどうかは分からない。
 
しかし、才能を引き出し、可能性を見つけてやるのが親の義務だと思います。 
自分の時間に子供を当てはめようとするから無理と思うのであって、子供の時間に自分を合わせればいいんです。 
 
 
イチローが小学2年生のとき「僕、野球がしたい」と父親に訴えます。
小学校の部活は3年生からですが、野球部はありませんでした。 
父親は人気のサッカー部を勧めましたが、イチローは頑として受け入れません。 
どうしても野球がやりたい、しかも毎日・・・ 
そこで父親は次のように提案します。 
 
 
「じゃ、お父さんが相手してあげるけど、毎日やれるか」 
「うん」 
「男の約束だよ」 
 
 
それから、イチローとの野球遊びが始まります。
 
 
自分から約束をやぶったら子供は心に傷を負う。 
幼ければ幼いほど、その傷は深く残る。 
だから、約束した以上は何にもまして、イチローとの野球遊びを優先させなければと思った。 
 
 
それから、自分が経営していた町工場を毎日午後3時には退社し、イチローが小学校6年生になるまで野球の相手を続けたそうです。 
そのため、会社の取引先がなくなったこともあったようです。 
多くの場合、日本の父親は子供の相手より仕事を優先させます。 
しかし、それは「大人側の理論」だとイチローの父親は語っています。 
 
 
子供に約束は守らなきゃだめだと教えておいて、大人が破ってしまっては説得力がなくなります。 
父親の威厳を示そうと高飛車な態度を示すだけでは、子供はついてこないだろうし、反発心も生まれる。

子供の心をひきつけるためには、子供の目の高さで物事を見て、控えめで謙虚でなければならないと思う。 
親の方が子供の後ろからついていけばいい。 
 
 
実行しようと思っても、なかなかできる事ではありません。 
イチローの父親が素晴らしいところは、子供を信じ、子供と真剣に向き合っているところだと思います。
「子供だからこの程度でいいだろう」とか「どうせ長続きしないだろう」という考えが全くないところは見習いたいです。 
 
 
イチローの父親は自分の子育てを振り返って、次のように語っています。 
 
 
男の子だから好きな事をやらせるというのが私の方針だったから貫き通してきましたけど、一歩間違えればイチローの人生をめちゃくちゃにした可能性だってあった。 今、考えるとね。 
あの時代は僕も一生懸命だったから、そんなことを考える余裕もなかったなぁ。 
 
 
子供を信じ、自分を信じる心が「天才」を育てたといえるのかもしれません。