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教育としての「上下関係」はどうあるべきか

Blog post 034

 

上下関係

帰国子女で慶應大卒という華々しい経歴ながら、会社での厳しい上下関係に馴染めず、専業主夫になった男性がネット上で話題になりました。
 
日本では古くから個人より集団の和を重んじ、協調性を大切にする風習がありますが、反面、「空気を読め」などの同調圧力に息苦しさを覚える人もいます。 
 
とくに目上の人に敬意を払うという教育としての「上下関係」は、学校から会社まで一生関わるものですが、それが心労になり病気を患う人も少なくありません。 
日本は年功序列で発展してきた国という点から、とくに「上下」をやかましく言うように感じます。
 
 
本来、上下関係とは、下は上を「敬う」ものであって、上に服従したり、必要以上に媚びたりするということではありません。 
 
また、上の人は自分の経験や知識をもって、下の人を良い方向に導いたり、世話したりするものと考えます。
そこには、お互いを尊重し、良好な人間関係がなければなりません。 
 
 
しかし、ときに「歪んだ上下の意識」から様々な問題が発生しているのも事実です。 
 
コンビニなどで客が店員に土下座させたニュースが話題になりました。 
「俺は客だから、何をやっても許される」的な間違った意識です。 
いくら客と従業員の関係であっても、世の中には守るべきマナーというものがあります。 
 
そのマナーを無視し、弱い立場の人に対して攻撃的に振る舞う行為、それは単なる「いじめ」でしかありません。 
 
 
その点、外国では日本ほど上下関係はうるさくないように思います。 
私が10年住んでいた上海は、個人を尊重するところが強く、たとえばスーパーでレジに客が長い列を作っていても、昼食の時間になると、客がいてもお構いなく弁当を食べたりします。 
私は私、あなたはあなた・・・客も従業員もそれぞれ個人が尊重されるという考え方なのでしょう。
 
 
国柄がありますから、こういう考え方は日本では受け入れられないと思いますが、もう少し肩肘張らずにフレンドリーな上下関係があってもいいと考えます。 
道徳の教科化や教育改革が進展していくなかで、教育としての上下関係はどうあるべきか、議論する必要があるように感じています。