HOME | ブログ | blog017

中高一貫校は夢の楽園なのか

Blog post 017

 

中高一貫

東京では4人に1人が、私立や国立の中高一貫校に進学するといいますが、受験戦争は熾烈で小学校低学年から学習塾通いを始めないと志望校合格もままならないといいます。 
 
 
先行き不透明な世の中、せめて子供にはいい教育を受けさせたい、大学受験やいじめの問題を考えてると、経済的に無理をしても中学受験をさせるべきではないかと思うのは親心でしょう。 
 
 
それもひとえに中高一貫校に対しての期待が高いからです。 
はたして中高一貫校は「夢の楽園」なのでしょうか。 
中高一貫校のメリット、デメリットは、様々な書物やサイトで紹介されていますので、今更言うまでもありませんが、お復習(さら)いとして確認しておきます。 
 
 
 
1 メリット 
 
中高一貫校の最大のメリットは、やはり「高校受験」がないため、その受験に関わる時間を別のことに当てられ、ゆとりのある学校生活を送ることができるということです。 
 
あらゆる面で「6年間」というスパンで継続が可能で、たとえば部活動であっても、通常は3年間で環境がガラッと変わってしまいますが、中高一貫であれば「6年間」同じ環境で継続出来ますから、より打ち込めるようになります。
 
また、中学2年、3年の時点で高校の授業を導入するなど、早い段階で大学受験に向けた学習に取り組める面もあります。 
 
みんな受験という試練を通過して入学しているために、当然、優秀な生徒が多く学力レベルが近い者同士となり、比較的クラスの雰囲気も良いといえます。 
 
 
 
2 デメリット 
 
中高一貫校のデメリットは、メリットの裏返しになりますが「6年間、学校生活環境が変わらない」という点にあります。 
 
子供と学校の相性がよければ問題ないのですが、たとえば友人関係がうまくいかなかったりしますと、その環境が6年間継続することになってしまい、非常に苦しい状況に追い込まれることが予想されます。 
 
また、「高校受験」というある種の「節目」がないために気をつけないと「中だるみ」してしまったり、入学したことに安堵して「燃え尽きる」ということにも注意が必要です。 
 
さらに、わずか10歳前後の年齢から受験勉強に相当な時間を割かなければならないという現実もあります。 
 
 
 
どんな学校にもメリット・デメリットはあります。 
中高一貫校はどちらかというと期待や希望といった「陽」の部分が大きいため、「陰」の部分がなかなか表に出て来ない面があります。 
 
 
世間では、どういうわけか「偏差値の高い学校であれはあるほど「いじめ」が起きにくい」という説が信じられています。
 
 
こうした話は本来間違った俗説で、ライバルを蹴落とす、成績をねたんで足を引っ張る、勉強に追われるストレスの「はけ口」などの「いじめ」が実際に存在します。 
 
 
また、授業の進む速さや難しさについていけず、全体の1割ほどの生徒がドロップアウトするという問題もあります。 
あとは卒業までにかかる費用の問題(私立の場合)なども・・・ 
 
 
中高一貫校は総じて高い教育レベルから、優秀な人材を輩出してきた実績があり、成功事例はいくつもあります。 
しかし、努力して入学できたからといって、そこが無条件に「夢の楽園」となる訳ではありません。 
 
 
むしろ入学した後の方が、努力の度合いは大きくなるといってもいいでしょう。 
子供にとって「夢の楽園」になるかどうかは、6年間の継続した頑張りによるといえます。 
 
 
保護者としては、子供が卒業までの6年間を何事もなく成長してくれることを望む訳ですが、途中で人間関係につまづいたり、勉強についていけなくなったりした時にどう対応するのか・・・ということをしっかり心しておく必要があります。 
 
 
受験にあたっては、事前に様々な情報を集め、子供としっかり話し合ったうえで進路選択することが重要であると思います。