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校則の教育的意味を考える

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校則

日本の学校の校則は、髪型から靴下まで厳しく規制されたものが多く、生徒の自由を奪うと批判的な意見がある反面、非行や危険を回避する観点から、ある程度の厳しさは必要という意見もあります。
 
 
学校校則は何のためにあるのでしょうか。 
単に生徒たちの校内生活を規制するためでしょうか。 
あるいは、学校運営を円滑に行うためでしょうか。 
校則が教育という観点からどのような意味を持つのか考えてみました。 
 
 
 校則とは、 
 
・集団生活の秩序を守るため 
・非行や危険を回避するため 
・平等の精神 
・生徒の心の変化を知るため 

など、
 
どれも間違っていないように思いますが、ここではあえて二つ、校則の意味をあげてみたいと思います。 
 
 
 1 校則は「生徒の将来のため」にある 
 
エミール・デュルケームという社会学者は「学校の規則」について次のように言っています。 
 
「子供が規則を尊ぶことを学び、また、かくせねばならぬがゆえに自制し、ワガママを捨てる習慣を身につけるのは学校規則の尊重を通じてである。それは義務が持つ厳しさについての最初の体験であって、真摯な生活はまずここから始まる」 
 
校則は子供が自分勝手な行動を自制し、良い習慣を身につける最初の体験であって、まじめな生活は学校から始まる、 
・・・これが彼の考える校則の教育的意味です。 
 
これに関連して、学校生活のなかで規則を守るということは、将来、社会に出てから様々なルールに順応できる大人になるための準備であるとも考えられます。 
デュルケームのいう校則の意味は、至極基本的なものであり、すべての校則の前提になっていると言ってもいいでしょう。 
 
 
 
 2 校則は生徒の正しい心(態度)を育てる 
 
校則の服装や髪型に関する規定は、非行や危険を回避するため、または生徒の心の乱れを知るためという考え方もありますが、実は内容はどうであれ、その校則を守るか守らないかというところに焦点があるという考えです。 
 
すなわち、決められた校則に対する「心の持ちよう」、規則を尊重するという「正しい心(態度)を育む」という意味です。 
 
もちろん、これには生徒の人権を尊重し、いたずらに生徒の自由を奪いすぎる校則であってはならないのですが・・・ 
そのような校則は、生徒会でしっかり議論して廃止にするなり、改善するなり、学校側に提案すべきです。
あくまでも校則は生徒のためにあるのですから。
 
 
校則の意味を二つ示しましたが、それでも本当に意味があるのかと問いたくなる校則もあります。 
たとえば、私が中学生の時、こんな校則がありました。 
 
 
・チャイムが鳴っている間は、鳴り終わるまでその場から動いてはならない。
 
 
その場で立ち止まる意味は何か、これはいまだに分かりません。「だるまさんが転んだ」かよ!って、ツッコミたくなりますね。 
 
 
・廊下を走ったことを注意されたら、走り始めた場所まで徒歩で戻り、そこから歩き直さなければならない。
 
 
なぜ、わざわざ戻る必要があるのか、罰ゲームとしか思えませんが、これもいまだに意味不明な校則です。
 
 
この校則、まだ、継続してるのか気になります。