アメリカの学校教育ー日本との違い
私の友人がアメリカに移住し、その子供達がアメリカの教育を受けたときの話しを思い出しました。ちょっと紹介させていただきます。
アメリカの教育行政は、連邦政府ではなく各州に委ねられています。
日本のように文部科学省が制定した学習指導要領にしたがい全国統一的な学習内容となっていまん。
各州の教育省下にある郡教育局の さらに下にある学校区の裁量で決定可能な範囲が広く、使用する教科書やカリキュラム、休日なども学校区ごとに決められています。
学校区により教育方針やレベルに違いがあるため、学齢期の子どもを持つ親にとって学校区選び(居住地選び)は非常に重要な課題となるそうです。
アメリカの義務教育は、日本の幼稚園年長にあたる年齢から高校3年までのトータル13年間。
学年のことはグレードと呼びます。
・グレード「k」=年長児
・グレード「1〜5」=小学生
・グレード「6〜8」=中学生
・グレード「9〜12」=高校生
アメリカの教育で特徴的なのは「習熟度別クラス編成」であるということです。
日本のように理解していようが、理解していまいが、同じクラスで同じ内容の学習を義務付けられ、2年・3年・・・と進んで行くというシステムとは違い、出来る子はハイレベルのクラスを履修でき、ちょっと苦手な子は、そのレベルにあった基礎学習を無理なく続けることができるのです。
高校は大学と同じ「単位制」で、卒業に必要な単位を取得すれば、グレード12が終了する前に卒業することも可能なのです。
また、アメリカの教育は、プロセス重視であるというところも日本と異なっている点の一つです。
日本では、概して「答えは一つ」であり、その答えを間違えると評価されないということが起こる訳です。
しかし、アメリカでは結果して答えが間違っていたとしても、その答えがどうやって導き出されたのかを生徒が論じる機会が与えられ、先生がそのプロセスをしっかり理解してから正解を教えたり、ときには「その考え方はいいね!」と同調が得られ、そこから展開が広がるということも多いようです。
アメリカの起業家の創造性は、こういったところから生まれるのかもしれません。
さらに、アメリカには「学校に行かない」という選択肢もあります。
いわゆる「ホームスクーリング」(家庭を拠点に学習を行う在宅教育)が認められているのです。
学校に行かない理由は、教育の質や安全面など、学校に対する不満が主ですが、全米で約200万人もの生徒がこの制度を利用しています。
学習方法は、自習や保護者から学ぶだけでなく、家庭教師を雇ったり、部分的に学校のクラスに参加するなどさまざま。
オンラインで授業を提供する業者もあります。
また、学校に所属しスポーツなどの課外活動に参加することも可能となっています。 さすが個人を尊重する国ならではの仕組みという感じを受けます。
その他、障害者に対する教育が発達している部分などは、日本も見習うべき点であると思います。
日本の教育・アメリカの教育、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらか一方を良しとすることはできません。
しかし、どこの国であれ忘れてはいけないのは「学校は子供達のためにある」ということです。